商標権侵害をあえて放置するという考え方<知財戦略>
2015/10/16
みなさんが会社名、商品・サービス名を商標登録しているとして、
他人がその会社名、商品・サービス名を真似していると知ったとき何をしようとしますか?
その人に電話をする、メールをする、内容証明を送る、等して使うのを止めさせると思います。
「特許の侵害」という配達証明が届きました。
引用:yahoo知恵袋
サービス業の店舗をひとつ経営してますが、同業他社から商標権侵害の警告書が届きました。
引用:yahoo知恵袋
商標とか特許とかが侵害された時警告書を送らずに直で差止め請求とかを行ってもいいんですか
引用:yahoo知恵袋
その行動ちょっと待ってみませんか。
というのも、待つことが会社の利益になることがあるからです。
待つことが会社の利益になる?
みなさんの会社が提供している商品・サービスが斬新なものだと、利益になる可能性が特に高いです。
しかし、それまでに時間がかかります。
というのも、商品・サービスが斬新なものだと、お客様がその価値を理解しマーケットが形成されるまで時間がかかるからです。
そして、そのマーケットの形成時間だけみなさんの会社の費用もかかっていきます。
ここで、みなさんに代わって、みなさんが商標登録した商品・サービス名で、商品・サービスを提供してくれる他人がいたらどうでしょうか。
この場合でもマーケットは形成されていきます。
特に、そのような他人が比較的大きな企業だったりしたらどうでしょうか?
マーケットは加速的に大きくなります。
すると、同時にみなさんの商品・サービスの売り上げも増えていきます。
えっ、ということは、商品・サービスの提供をそのような大企業に委託する?
そんなことはしません。
たとえば、どうでしょうか、大企業が自覚のないまま、みなさんの商標登録した商品・サービス名で商品・サービスを提供していたとしたら。
これってみなさんの登録商標の商標権侵害になってしまうんですが・・・
でも、このような場合、みなさんの会社名、商品・サービス名を真似していると知ったときに、
“直ぐに”止めさせた方が良いでしょうか。
いずれ止めさせるとしても、マーケットが大きくなったらときにというのはどうでしょうか?
つまり、止めさせるとしても、適切なタイミングで行うといった戦略思考でいくというのはどうでしょうか。
このように商標権侵害をあえて放置するという考え方があると、利益を伸ばすことが可能になります。
なお、以上の考えは、オープン戦略が参考になります。
オープン戦略とは、特許をあえて他社に開放し、市場拡大を優先する。
引用:[ビジネス]新たな市場形成を狙う知財のオープン戦略