ボーイング300機購入から考える知財戦略
2015/09/30
習近平氏がボーイング300機購入!、話題になっています。
特にボーイングは、技術流出の懸念から中国移転に難色を示していたが、巨大市場を背景にした中国の現地生産要請に屈した格好だ。ただ、中国は国産初の中距離機「C919」の開発の遅れを取り戻そうと懸命
出典:中国に“籠絡”されたボーイングとエアバス 技術流出覚悟の現地生産は吉か凶か?
ボーイングの工場を中国に作るということは、アメリカ人の雇用が奪われるということでもあります。それに中国に工場を作ることで技術が盗まれるのでは?との心配もあるのです。
出典:習近平氏、ボーイング300機購入するもアメリカ人激怒の理由! 海外の反応。
といった様々な声。
製品を売るということは、その製品が含む技術も売るということです。
ところで、みなさんは、特許取得しようとするとき、特許取得自体が目的になっていませんか?
大丈夫!利益を得られるように特許取得するから、という方もいると思います。
しかしそれでも特許取得が前提になっています。
そもそも、特許取得の目的ってなんだったでしょうか?
そうです。他人に技術をもっていかれないようにすることです。
特許取得することはそのためのあくまでも手段。
では、特許取得すれば、他人に技術をもっていかれることは本当にないでしょうか。
特許取得すれば、その特許情報は公報として公開されます。
技術を製品に載せれば他人が見られる状態になります。
特許取得していれば、その技術そのものは真似されないかもしれませんが、
改良した技術を容易に考えだされる可能性があります。
今回のニュースも同様です。
飛行機技術について特許取得していたとしても、
現地開発すれば、中国の工場関係者に飛行機技術が見られてしまいます。
飛行機技術ですから何億円も開発費をかけていると思います。
それが一瞬にもっていかれます。
他人に技術をもっていかれないためにはどうですれば良いでしょうか。
これは、特許取得することもなく、さらにその技術を外にも出さないことです。
いわゆるブラックボックス化です(しかし、100%のブラックボックス化は難しいかもしれませんが)。
特許取得する場合、その目的は明確にしなくてはなりません。
ほとんどの場合、その目的は他人にもっていかれないようにするためです。
特許取得する際には今一度、特許取得が最善か確認してみましょう。